アンティークの家具や雑貨をあつかう工房で
話題となっている、さまざまなことに対して
ちょっとだけお話します。
「職人のワザ」
ダブルデイでお馴染みのアンティーク家具ブランド
G-Plan(ジープラン)とERCOL(アーコール)。
どちらも英国の家具ブランドで
日本国内はもちろん世界中で人気があり、
近頃はお隣の中国でも注目され
人気に拍車がかかっているようです。
そんな両ブランドの家具ですが、
随所に職人の職人たるワザが
散りばめられているのをご存じでしょうか。
数ある職人ワザの中から
今回はいくつかご紹介いたします。
まずはG-Planのダイニングチェア。
チェアの座面を支えるパーツと
後脚パーツの接合部に
こんな〇を見たことはないでしょうか?
これは人が座った時に
荷重がとてもかかる箇所なため
接着剤で圧着したあとに
補強としてビスや木ダボが入れられています。
この補強があることによって接合がより強くなり
外れにくくなっています。
また、目立ちにくい箇所に脚と同じような色味で
着色されているところが職人ワザですね。
つぎにERCOLのいろいろな家具たち。
ERCOLの家具には
ありとあらゆる職人ワザがほどこされており、
特に曲げ木の技法はすばらしいとしか表現できません。
ふとERCOLの家具にふれた時、
ながめてみた時に、
これらにお気づきになったでしょうか。
これも伝統的な技法のひとつ、楔(くさび)。
釘やネジを使わないかわりに、
この技法によって美しく、強く
木材同士を接合することができます。
日本でも古い建物や神社、お寺などでも
このワザは使われています。
穴の開いたパーツに
接合するために作られた突起、ほぞ。
そのほぞに切れ込みをいれ、
▽の木材を差し込んで
ほぞ先を広げて接合するといった
とても原始的な技法。
ただし、接合部分には楔だけでなく
ちゃんと接着剤も合わせて使っているので
ご安心を。
それではまた次回。
————————————————————————–
【アンティーク家具工房から小ばなし】一覧はこちら
————————————————————————–