アンティーク家具工房から小ばなし~vol.9

アンティークの家具や雑貨をあつかう工房で
話題となっている様々なことに対して
ちょっとだけお話します。

「ベントとチャーチ」


英国や北欧でも
そしてダブルデイでも人気の
アンティークチェア(椅子)
ベントウッドチェアとチャーチチェア。

どちらも1800年代から存在し
ベントウッドチェア(曲木の椅子)は、
一般家庭やカフェ、レストランなど幅広く使用され、
チャーチチェアはその名の通り
その当時から多くあった教会で多量に製造され
使用されていた椅子です。

今回は、そんな2種類のチェアの
メンテナンス(修理)ポイントをご紹介。

まずはベントウッドチェア。
特徴は美しい曲木の技術と、
片手で持つことができる軽さ。

それゆえ、メンテナンス箇所がおおよそ決まっており
座面と脚との付け根、花柄浅彫りの座面、
今回のベントウッドチェアにはついていませんが
4本の脚を固定する曲木の3つがポイントです。

座面と脚は、ほかの椅子と同様に組み直しを行います。


特に座面は薄い円形板に
浅く花柄を彫り込んでいるため
外れていたり、割れていたりするものが多いです。


新しい接着剤や釘などを使って
綺麗に再現しております。

つぎはチャーチチェア。
古くは1800年代から使われている教会の椅子。
背もたれや座面下に聖書を収納できたり、
お祈りしやすいように、
椅子の上部が平らになっていたりするのが特徴。

それゆえ、メンテナンス箇所がおおよそ決まっており
座面と脚との付け根、椅子上部の笠木(かさぎ)、
聖書ポケットの3つがポイント。

笠木に腕を置いてお祈りするため、
荷重対策として木ネジを使っているものがほとんど。


この木ネジを目隠しするパーツが取れやすかったり
ないものが多いので、
付け直したり、作り直しをします。


座面と脚は、ほかの椅子と同様に組み直しを行い、
聖書ポケットは、新しい接着剤や釘などを使って
綺麗に再現します。


ベントウッドチェアもチャーチチェアも
そもそも丈夫な構造なので、緩みやグラつきを
直すことによってさらに長い年月
使い続けていくことができる、、、
そんな代物です。

それではまた次回。

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