アンティーク家具工房から小ばなし~vol.12

アンティークの家具や雑貨をあつかう工房で
話題となっている様々なことに対して
ちょっとだけお話します。

「続・剥離・再塗装って?」

ダブルデイのアンティーク家具たちは、
おおよそ6070年前に作られ、
使用されてきたものばかり。

アンティーク家具の経年劣化による
「風合い」や「味」の
オリジナルを生かしたまま、
楽しんでほしいという思いで
傷やシミをありのままの姿を
ダブルデイでご覧いただけます。

中には、保存状態が良く、
はるばる海外から入荷してすぐ
販売できる子もいたら、販売できない子もいたり。

そんな場合の修理方法のひとつとして
剥離・再塗装という方法があります。

前回、vol.11のテーブルに続き、
今回は、チェアの剥離・再塗装について
少しばかり小ばなしさせていただきます。

英国を代表するブランド、ERCOL(アーコール)
ダブルデイでも、もちろん代表のアンティーク家具。

ここでは、さまざまあるチェアの中から
スティックバックチェアを使ってみます。
画像1.jpg


イギリスからはるばる日本までやってきた
そのままの姿。
画像2.jpg

部分的に黒ずみ、まだらになってます。
座面はほぼ全部、、、


それでは全体的に剥離・再塗装を施してみます。

剥離作業は、テーブルと同様、液体の剥離剤で
もとの塗装を浮かして剝がします。
乾燥させた後、これまたひたすらサンディング(研磨)
おこないます。

こつこつと、、くまなく、、
画像3.jpg


これまた、再塗装。
サンディングした全体に、オリジナルに近い色を付けたり
付けなかったり。
画像4.jpg


そのあと、下地を塗り、上から塗膜をはります。
なんども、、なんども、、
画像5.jpg


「ど、どこが変わったわけ、、、?」
と、一見思いがちなのですが、
作業する前と後のものを並べてみると。

ほら、この通り。
全体的に統一感された色味が自然で
美しさ倍増!!
画像6.jpg


「え、、、それでも分かりにくい、、、?」
んじゃ、これならどうでしょう。

わかりやすく、一脚を半分に剥離・再塗装。
画像7.jpg

画像8.jpg

これまたテーブルと同様、
アンティークの独特な味や風合いは、
まったく、なくなりますが、
傷やシミがなくとても綺麗に仕上がります。

ただし、剥離・再塗装の料金は、別途かかり、
家具の状態によって内容は異なります。

オリジナルと比べると色が変わるし
ムラやシミ(輪ジミなど)
完全になくなるわけではございませんので。

それではまた次回。

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