
1.陶器と磁器、何が違う?
【陶器】

◆材料
自然に採れる土(主に粘土)
を1,000〜1,300℃で焼いたもの
◆特徴
熱しにくく冷めにくい
水を吸いやすい
\こんな方におすすめ/ 土ならではの豊かな表情を楽しみたい方 |
【磁器】

◆材料
陶石(石)を
1,300〜1,400℃程度で焼いたもの
◆特徴
薄手で熱を伝えやすく冷めやすい
水を吸わない
\こんな方におすすめ/ 耐久性に優れ丈夫な器をお探しの方 |
2.釉薬は何のため?
釉薬とは
焼き物の表面を覆う
ガラス質の薄い層のこと。
ほとんどの陶磁器は
釉薬をかけて作られている。
釉薬をかけてうつわを焼くことで
うつわ表面の装飾のほかにも
水分・汚れから守る役割がある。

====釉薬のココが魅力====
貫入
釉薬と素地の収縮の差により
釉薬の表面に生じる細かいヒビのこと。
うつわに豊かな表情をあたえる。


釉だれ
焼成中に釉薬が垂れた跡。
うつわの表面に動きが生まれて
和食器ならではの美しい景色が楽しめる。


窯変
釉薬が焼成中に変化して現れる表情。
どれも同じ模様にはならず
唯一無二の表情が生まれる。


3.代表的な和食器の産地

① 益子焼(栃木県/陶器)
江戸時代終わりごろからの歴史を持つ
栃木県益子町周辺で作られる焼き物。
土の味わいが感じられる厚手で素朴な器。




※現在ダブルデイではお取り扱いがございません。
② 美濃焼(岐阜県/陶器・磁器)
岐阜県 多治見市、土岐市、瑞浪市、可児市を
産地とする陶器や磁器。
日本の和食器・洋食器の多くを生産。
種類や作風が多岐に渡るが
普段使いしやすいデザインが多い。




③ 九谷焼(石川県/磁器)
日本を代表する色絵磁器。
九谷五彩(赤・青・黄・紫・紺青)を
基調とした華やかな絵付けが特徴。




④ 信楽焼(滋賀県/陶器)
滋賀県甲賀市信楽町を中心に作られる陶器。
コシの強い陶土を使用しており、
大型や肉厚の器が多いのが特徴。
タヌキの置物が有名で
土の味わいが感じられる厚手で素朴な器。




⑤ 有田焼(佐賀県/陶器・磁器)
佐賀県有田町を中心に生産される磁器。
日本で初めて作られた磁器とも言われている。
白磁(白い素地に無色の釉薬をかけた磁器)と
絵付けをはじめ
色鮮やかな釉薬を使ったうつわも多く
食卓に華やかさを与える。




⑥ 波佐見焼(長崎県/陶器・磁器)
長崎県の波佐見町付近で生産される陶磁器。
量産地ならではの、買いやすく使いやすい
現代の暮らしにマッチしたデザインが多い。




⑦ 小石原焼(福岡県/陶器)
⑧ 小鹿田焼(大分県/陶器)
兄弟窯の小鹿田焼と小石原焼は、
「トビカンナ」や「刷毛目」といった
伝統的な装飾技法を守りながらも
使い勝手の良さが魅力。


⑨ やちむん(沖縄県/陶器)
やちむんとは、沖縄で「焼き物」のこと。
沖縄の景色のように鮮やかな色使いや
大らかな絵付けが特徴。
食卓に彩をプラスしてくれるようなデザインが多い。


4.ダブルデイで取り扱いのある作家・窯元一例
取り扱い作家・窯元一例(五十音順) Awabi ware(あわびウェア) 一翠窯 高畑 伸也 (いっすいがま/たかはた しんや) 巌陶房(いわおとうぼう) 宇田 隆和(うだ たかかず) 内村 七生(うちむら なお) 小林 巧征(こばやし こうせい) 樋山 真弓(ひやま まゆみ) 古谷 浩一(ふるたに ひろかず) 堀畑 蘭(ほりはた らん) |
Awabi ware(あわびウェア)

受け継ぐ器をコンセプトに、
「Awabi ware」を屋号に掲げ
兵庫県淡路島で日用食器を制作。
淡路島の美しさと書いて「あわび」、あわびウェアの
「ウェア」には製品という意味がある。
江戸後期から明治期に栄えた
珉平焼(淡路焼)の制作
スタイルに学びながら、生活道具としての器を作陶。
一翠窯 高畑 伸也
(いっすいがま/たかはた しんや)

インド、ネパール、東南アジアを渡り歩いたのち
2002年に沖縄に移住。
読谷村の金城 敏男窯にて壺屋焼を学び
2005年に独立。一翠窯を築窯。
ひとつひとつ手仕事で施された個性豊かな模様は
沖縄の海や風を思わせる色使いが魅力。
絶妙な濃淡や独特のリズム感が
食卓を楽しくさせてくれる器。
巌陶房(いわおとうぼう)

信楽の山あいに位置する小さな窯元。
巌陶房初代窯主『鈴木 巌』の技術を受け継いだ
兄弟が作陶。
信楽古来の白い荒土を使い
化粧泥という白い釉薬を全体にかけ
さらに釉薬をかけて本焼成。
この間、実に3回もの窯の火を通す独特の製法は
「釉裏紅(ゆうりこう)」と呼ばれ大変手間がかかる器
宇田 隆和(うだ たかかず)

ろくろの技術が高く茶陶の水差しや抹茶碗、
急須などの茶器が得意。
艶を抑えた乳白色の釉薬の
ニュアンスある白が特徴。
ぬくもりがある優しい形と
手仕事を感じるシルエットに。
黒焼き締めは、土の素材感を感じる力強さが魅力。
どちらも「冷却還元」という特別な焼き方により
他にはない表情を表現。
内村 七生(うちむら なお)

北海道教育大学美術科を卒業後
2002年より沖縄県の読谷山焼「北窯」にて修行。
その後、愛媛県の砥部焼「梅山窯」にて1年
石川県の九谷焼「青窯」にて3年修行の後
2014年に愛知県瀬戸市にて独立。
花や植物、動物をモチーフにした
カラフルでかわいらしい色絵のほか
独自の化粧掛け(※)による白磁シリーズなど
幅広いアイテムがあります。
※器を美しく白く見せるために
素地に白色と陶土を塗ること。
小林 巧征(こばやし こうせい)

2013年九谷青窯にて修行し
2018年に実家の波佐見焼の窯元に戻り
作家活動をはじめる。
2022年に再び九谷へと移り、独立。
器によって料理が引き立ち
料理によって器が活きる
「食と器の関係性」を大切にした
合わせる料理を選ばない器。
日々の食卓にそっと寄り添う
誠実な器作りを心がけている。
樋山 真弓(ひやま まゆみ)

石川県の九谷青窯に2008年入社後、2012年独立。
現在、石川県に工房を構え作陶。
九谷の磁器土や絵の具を用い
古伊万里、古染め付け
といった古典を基調にしながらも
現代の食生活に合った
日々の暮らしを豊かにする九谷焼の器たち。
「この器で食べたら美味しい。この器で呑むと旨い。
使って楽しい。」と感じてもらえるような
器作りを心掛けている。
古谷 浩一(ふるたに ひろかず)

1979年信楽生まれの作家。
毎日泥だらけになりながら器を作っていた
両親を見て育ち、自然と陶芸の道を志す。
現在は10名ほどの職人とともに
古谷製陶所として作陶。
特に品があり、温かみのある「粉引きの白い器」に
こだわり、土作りから独自で行っている。
どんな料理も引き立て、自由に使いやすい。
堀畑 蘭(ほりはた らん)

石川県立九谷焼技術研究所卒業後
デンマークのボーンホルムズ・ホイスコーレへ
留学し、さらに陶芸の知識を深めたのち、日本に帰国。
2017年より九谷青窯で作陶をはじめ
2020年に独立。
「一目惚れしてもらえるような
器づくりをしていきたい」
との想いで作陶。
特に、料理を盛りつけた時の器との
バランスを大切にしており
古九谷や明の色絵から
インスピレーションを受けた
色彩の美しさと躍動感のある絵付けが魅力。
5.長く愛用するために。
うつわのお手入れについて
目止め
<陶器製品>
目止めをおこなうことで
汚れやニオイがつきにくくなります。

<磁器製品>
目止めの必要はありません。
シミの原因になるのでお避けください。
<陶器製品>
目止めをおこなうことで汚れやニオイが
つきにくくなります。
毎回使用する前に真水か温水にくぐらせると
汚れやニオイがつきにくくなります。
陶器には目に見えない穴があり
器が乾いた状態だとその穴から
料理が持つ水分・油分が吸収されてしまいます。
真水か温水にくぐらせることで陶器の穴をふさぎ
料理の水分・油分を入りにくくします。
<磁器製品>
特に必要ありません。



