“まるで陶器”  「失敗作」から生まれたMUDDY樹脂食器


初めて展示会で見た時
ホーローの食器かなと思ったこちら、
持つと軽くて薄くて樹脂の食器でした。




樹脂の食器というと勝手なイメージで
陶器より風合いがなく
機械生産の味気ないイメージを持っていました。

陶器に見間違える質感を持ちながら
軽くて丈夫で落としても割れにくく
電子レンジや食器洗浄機も使用出来るという
機能性に優れています。

また、漆の伝統的な技術をもとに
職人の手仕事により生産されているという
びっくりする器でした。

石川県加賀市は
400年ほどの歴史を持つ
伝統工芸「山中漆器」の産地です。

近年はライフスタイルの変化に合わせ
合成樹脂素材にウレタン塗装を施した
「近代漆器」が増えています。

そんな伝統技術を活かして
「何か新しいものが出来ないか…」と
漠然と考えられていたところ
職人の工房の隅に捨てられていた器に
目が止まったそうです。

それは塗装に色ムラが出て
産地では失敗作として
廃棄されるべきものだったのですが
それがとてもカッコよく
そこからゆらぎある塗装の
樹脂製食器の開発が始まったそうです。

とはいえ、塗装職人にとって
それは不良品以外の何ものでもなく
何人もの職人に断られた結果
ダンサーとして活動していた
ユニークな経歴の
クリエイティブな感性の漆職人さんが
引き受けてくださったそうです。

今も塗装を任せられるのは
このお一人のみ。

釉薬の釉だれが
豊かな表情を作る陶器のように
ゆらぎのある器を目指して
1年半ほどの開発期間をかけて
「MUDDY」が完成しました。








環境への配慮から
約60%が再生PET樹脂を原料に作られています。

原料メーカーの協力のもと
回収・洗浄・粉砕したペットボトルを
再生PET樹脂としてリサイクルしています。


裏面には
ロゴとMADE IN JAPANの文字が。



機械でプリントされているのかと思いきや
シルクプリントの職人さんが
1点1点手作業でプリントされています。




和食器の産地の窯元で製造過程を伺うと
その手作業の多さにびっくりしますが
樹脂の食器も同じような感じで
こんなにたくさんの作業があり
産地で分業制で生産されていることに
も驚きました。

軽くて持ち運びに便利なので
アウトドアのニーズもあるそうです。




ぜひ、お店でご覧になってくださいね。