Pristine

気温が下がり始める初秋の頃、無性に紅茶が飲みたくなります。 家で休日の午後に飲む紅茶は、濃く淹れたアッサムかイングリッシュ ブレックファーストにミルクをたっぷり入れて愉しむのが定番です。 そんな時には、英国流にたっぷりのお湯の中で茶葉が踊るための ティーポットが登場します。 Pristine社というイギリスのメーカーのティーポットですが コロンとした丸いフォルムが特徴的で勢いよくお湯を注いだ時に ポットの中で茶葉が十分に踊って開くように考えられています。 イギリスでは大変ポピュラーなティーポットの形ですが、 似たデザインのものでは日本の小売店でも流通しているBrown Bettyという ブラウングレイズ色(日本で言う飴釉)のティーポットが有名です。 それに対してPristineは20を超えるカラーリングと広いサイズレンジが特徴で 今でもイギリスの一般家庭で愛用している方は多いと思われますが 他の色を購入しようとネットで探してみると… The company is no longer in operation. なんととっくの昔に工場は一旦大手のメーカーに統合された後 倒産して工場も閉鎖という悲しい事態になっていました。 そしてアメリカの通販サイトで探してみると、もはやヴィンテージ扱いに。 私がこのティーポットを買った10数年前から今に至るまでに イギリスの陶器業界ではいろんな事が起こっていました。 さて本題に戻って、このポットの特徴は 色やフォルムの他に90度に傾けても落ちてこないのに、とっても取り外し しやすい蓋とディフューザー(茶漉し)が内蔵されていないところ。 お茶の専門書を読んだ際に、 「ディフューザーありのポットで淹れたお茶と ディフューザー無しのポットでいれたお茶では味が違う。」 と記されていました。 どっちがどうとは言い切れませんが私的にはディフューザー無し派かな? 因みにこのグリーンのPristineポットは濃いお茶を入れる時専用にしていて、 ダージリンなど繊細なお茶の味を楽しみたい時は写真で隣に並べている 昔々、DOUBLEDAY で販売していた景徳鎮のポットを使用します。 どちらを使う場合も昔を懐かしむ気持ちがプラスされて お茶を飲む時に妙な安心感を与えてくれるところが 気に入って長く使っている理由です。