花火工房

福岡県みやま市にある花火工房を訪ねました。 子供向けの玩具花火の製造を70年以上続けておられる 「筒井時正玩具花火製造所」さんに手仕事の現場を見せて頂きました。 今では日本に3社しかない国産の線香花火の製造所の一つで、 なかでもスボ手牡丹と呼ばれる関西地方で馴染みのある線香花火は 日本でこの製造所しか作っていないとか。 昔から米作りが盛んだった関西地方には、材料となるワラが豊富にあったため このタイプの線香花火が親しまれてきたそうです。  右側がスボ手牡丹(関西)、左側が長手牡丹(関東) 私は関西出身ですが、東の長手牡丹も子供の頃よく遊んだ記憶があります。 もともとは関東地区中心に親しまれていた長手牡丹、 その後全国に広がったことで私が子供の頃(30年前)には 関西でも身近にあったようです。 工房で見せて頂いた長手牡丹は紙のこよりが一直線にすっと立ち、 大量生産の花火には出せない繊細な雰囲気が溢れていました。 工房を訪ねた日は冬の晴れた空が広がり、線香花火の乾燥工程の真っ最中でした。 火薬を固めるために天然のニカワを使用しているため、 スボ手牡丹は冬場にしか生産できず、次の夏に向けて今が生産の最盛期です。 日本で売られている花火の99.9%が中国製という時代に、 国産にこだわって作り続けられている花火は見た目も、点火したときの燃え方も美しいものでした。 花火と言えば「夏」をイメージしますが、 冬の澄んだ空気の中で燃える花火も風情があってお勧めとのことでしたので 早速子供と一緒に楽しんでみたいと思います。 ダブルデイでも、毎年夏には「日本の手仕事」として国産にこだわった商品を紹介していますので、 今年はこの線香花火も新しい形のギフトとして展開したいと思います。