アンティーク家具工房から小ばなし~vol.6

アンティークの家具や雑貨をあつかう工房で
話題となっているさまざまなことに対し
ちょっとだけお話します。

「箱物の初診」

収納するものによって
種類分けされる箱物家具。

お皿やグラスなどの食器を片付ける
「サイドボード・カップボード」

衣類をたたんで入れる
「チェスト・ワードローブ」

本や書物、小物やコレクションを並べる
「ブックケース・キャビネット」

お化粧したり、お手紙書いたり
「ドレッサー・ビューロー」

などなど、アンティーク家具の箱物を分けたら
ザっとこんな感じでしょうか。

海外からコンテナに積まれて
遠路はるばるやってくるアンティーク家具の箱物は、
長旅に疲れ、調子が悪い子も中には、います。
そんな子たちを初めに診断してあげるのも
工房のお仕事。
今回は、お家でもできるチェックポイントを紹介します。

箱物のいろいろなポイントを集約したこのサイドボード。
今日は、この子で解説いたします。



まずは下開き扉。
アンティーク家具の下開き扉は、
たいていがこのスライドする金具。
ストッパーがないため、下への衝撃に弱く、
扉側に付いているネジが取れがちです。



そんな時は少し大きめのネジで付けなおすか、
もとのネジ穴に接着剤を流しこみ、
竹串などを入れて、穴を収縮させて
ネジを付けなおしてあげましょう。
しっかり、かっちり付けなおすことができます。



つぎに引き出し。
大小さまざまな引き出しがありますが、
側面が擦れて開閉しにくいことが、ありがち。



引き出しの側面をよく見ると、
擦れた箇所が摩擦でテカっていたり
変色したりしています。
この子は、3段とも白く変色しております。



そんな時はテカっていたり
変色したりしている箇所を
サンドペーパーで少しずつ番手を変えて
削ってあげましょう。
仕上げにシリコンスプレーなどを
吹きかけるとよりスムーズに。
ストレス無く開閉できるようになります。

そして横開き扉。
たいていの横開き扉には、
鍵やキャッチ(留め具)が付いていますが、
この子の場合は磁石型のキャッチ。
カチッとしっかり止まらなくなってることがしばしば。
そんな時はキャッチを前後に動かして
付けなおしてあげましょう。

磁力が強すぎて、
しっかり閉まりすぎることがあるので
位置を調整しながら付けなおすのがコツ。



最後にスライド扉。

アンティーク家具のスライド扉は、
たいていが木かガラス。
レールの形状や材質にもよりますが、
ほとんどが取り外し可能です。


上下のどこかが擦れて
スライドしにくくなることもちらほら。
この子のように木製の天板と、
底面を削ったレールの場合は、
引き出しと同じように
擦れている箇所をサンドペーパーで、
少しずつ番手を変えて削ってあげましょう。
仕上げにシリコンスプレーなどを
吹きかけるとよりスムーズに。
ストレス無く開閉できるようになります。


これをもとにダブルデイの工房では、
初診に、このすべての内容を確認してから
全体のメンテナンスに取りかかります。

お家のあの子もこの子も、
一度診断してあげてください。

それではまた次回。

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